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読者モデルのほうが今の日本ではサバイヴしてる


佐々木えるざ:私は私なりに努力してるつもりなんです。



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NAOKI:じゃあモデルの努力ってなに?エルザは何をしてる?


えるざ:ごはんも少なくしているし、ポージングの練習とか


NAOKI:売れてるコたちって2種類いる。すごく努力をしているコ、そうじゃないコ。

努力しなくても売れるコは売れている。それが現実だよね。でもやはり長い間、

この世界にいるけれど、努力していないコは長くは続かない。あえていうなら勉強して、

モデルとしての努力の方向性を示していくのがこのワークショップの役割だと思ってる。


えるざ:努力しなくても売れるか……うーん。


NAOKI:努力しなくてもレールに乗って売れていくコは山ほどいるよ。

「努力した」と自分が思ったから売れる、というほど甘くないっていうこと。

そのリアルに気づかないと、無駄な努力をして、肩書きだけ「モデルです」なんてことに

なりかねない。そんなコは掃いて捨てるほどいるんだよね。だからなにがモデルとしての

最終系なのか、ゴールなのか。どうしたらプロのモデルといえるのか。

そこをエルザには考えてほしいんだ。


えるざ:昨日も少し食べ過ぎた……


NAOKI:ほらね(笑)。体型維持だけがモデルの仕事ではないけれど、

エルザはこんなに恵まれた顔とカラダとあるのに、体質として太りやすいんだ。

それも弱点だな(笑)。前回会ったときより1.5㎏は太ってるよ。


えるざ:えっ!なんで分かるんですか?NAOKIさんって体重計?


NAOKI::100g単位まで見てたら分かるよ。プロの目はごまかせないんだよ(笑)。



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えるざ:ガマンして一日二食にしてたのに……


NAOKI:それだよ、それ。努力が全部ムダ。それじゃ相撲部屋の食事メニューだよ。一番太る!


えるざ::お相撲さんと一緒?ごはんも半分にしてたのに。


NAOKI:そう!さっきのもそうだけど分かってないから成長しないんだよ。

一日二食でそれやってたらごはんを半分にしても意味がない。全部吸収しちゃうよ。

栄養に関してもきちんと勉強したり、知識を持っていないと。でもそんなのはモデルとしての

第一歩でしかない。そうだな、エルザは次回は今日は入らなさそうなデニムを選んでおくから、

この1カ月で3kgやせておいてほしい。

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2回目のシューティングはNAOKIがエルザだけではなく、参加するNOBU、濱内にもアドバイスを出す。完全なファッションとしての写真を撮るためのスタイルからポージング、表情におよぶまでポイントを押さえながら伝えていく。
このプロジェクトにはHair & MakeupにはHAPP'SのNOBU、スタイリストには濱内奈々子がスタッフとして参加する。


えるざ:どうしたらヤセられますか?ヨガとかやってるんですけど。


NAOKI:小鳥のようにこまめに何食も食べること。早食いは禁止。夜6時以降は水のみ。

気になるアゴはリンパマッサージ。ホットヨガもいいね。


えるざ:わかりました…1か月で3kgですね。


Daylight Studio Nakameguro

太陽光が1日中入る都内の自然光スタジオ

LinkIconDaylight Studio Nakameguro


モデルの仕事は「写真」が基本なんだ


NAOKI:プロのモデルとしての努力とか目標ってわかる?


えるざ:雑誌を見てるだけじゃ分からないですね:やっぱり仕事があること……かな。

雑誌の専属モデルとか?


NAOKI:今の段階でのエルザは雑誌の「専属モデル」はまだ絶対に無理。まず選ばれない。

ストレートに女のコウケする顔じゃないし、ヘアメイクにしてもさっきのヘアスタイルにしても

弱点の隠し方にしても中途半端で、きっとスタイリストが集めてくる、細いデニムも入らない。

現段階のエルザはまず自分の弱点を見つめていかないと。


えるざ:ちょっと悲しくなりますね……


NAOKI:悲しくなる時点で「努力なんてしてません」っていうようなもの。

日本だとすぐ「仕事があることがいい」ってなるんだよ。写真を撮られるっていうことを

ほとんど誰も考えていない。僕が思うモデルの努力って「テスト撮影」をどれだけやっているか、

ということに尽きる。モデルの基本は撮影。「写真」が仕事なんだよね。テスト撮影する努力さ、

ハングリーさというのは日本ではほとんど見たことがない。


















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えるざ:確かに…「作品作り」には何度か参加したことあるけど…


NAOKI:それはサッカーで言うとね、練習しないでいきなり試合に出るみたいなこと(笑)。

そんなの通用しないよね、するわけがない。世界のプロリーグで。ましてやJリーグだってそう。

シューティングテストをしていく努力っていうのは、例えればそういうことなんだ、エルザ。

海外のモデルはフランスでもイタリアでも、もちろんニューヨークでもみんなそれをやってる。

すさまじい生存競争の中で勝ち抜く術だってみんなわかってるんだ。

撮影こそがすべてなんだから。自分の見せ方を知るには撮られるのが一番。

じゃあ、エルザはどれだけ撮られてるかってね。

1か月に一度作品を撮りました…なんてお笑い草だよ。今、日本で「読者モデル」

が席巻している、プロのモデルとの境界線があいまいっていうのも

本当はそういう意味なんだよね、後で詳しく語るけど。

彼女たち読者モデルは本当にハングリーだし、一枚の写真でも見せ方を知っている。

僕もたまに撮影するけれど、なぜ今、読者モデルの時代なのか、

僕にはすごくよくわかる。


えるざ:確かに・・・雑誌を読んでいると読者モデルのほうが近い距離感かもしれないです。

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NAOKI:じゃあ自分を知りつくすってどういうことなのか、エルザにももう一度考えてきて

もらいたいね。彼女たち「人気読者モデル」は常に毎日撮影をされてるし、多いときは一日に

数本の撮影をこなしているんだ。練習というかもはや練習試合のようなものをどれだけ

こなしていることか。エルザはじゃあ一か月に何回撮影してる?


えるざ:そうですね、確かに…ここから一か月…次回、

きちんと撮影してもらえるようにやせるし、

作品撮りも挑戦したり…違う視点でもう一度考え直してみます。

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